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コロナウィルスで何となく暗い気持ちになっている皆様に明るい話題を提供します。

日本の誇るべき女性伝統工芸士

このH.P.で取り上げてきた、女性伝統工芸士の上田環江さんは、毎年3日間開かれる東京手描友禅のコンクール展示会「染芸展」にて、コロナウイルスで開催が危ぶまれる中、今回は関係者だけの半日開催の染芸展となったが、その困難の中で、この展示会のトップ賞である「関東経済産業局長賞」「染芸展賞」をW受賞されました。
上田さんは依頼されるお客様の想いや気持ちをじっくりと聞き、その上でその想いを充分に生かして作品づくりに心を込めて取り組まれています。

また、並行して2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、世界196の国と地域をイメージした和服の振袖を制作するビッグプロジェクト「KIMONO PROJECT」においても、世界で最も戦乱に苦しんでいるアフガニスタンの人々へ想いを馳せながら、平和への強い念を込めた素晴らしい振袖を制作されました。

100か国完成披露式典の動画  上田環江さんの作品 3分48秒~
今の世の中、派手なものだけが取り沙汰されていきますが、「思いやり」や「温かさ」は常に地味なものです。この作品一つ一つに込められた上田さんの想いが、色鮮やかな振袖を着る時のように、私達の気持ちも明るくしてくれます。そんな上田さんを、 やはり神様は、“ちゃんと見ていらっしゃる”と強く感じることが出来ました。

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ロウの意外な使い道

神楽衣裳・金刺繍専門店 佐渡村衣裳店様をご紹介致します。
島根県西部の伝統芸能・石見神楽を支えている、佐渡村衣裳店様の作品です。
石見神楽とは、太鼓や横笛からなる軽快な音色に併せ、演舞が繰り広げられる伝統芸能です。見どころは、大変優雅な衣装やお面、人間の体よりも大き な蛇胴で、これらが舞台全体を時に静かに、時に力強く動き回る姿は見ている人を魅了します。
(新潮社の雑誌「波」で、日本の長寿企業ブームを作った「千年、働いてきました」等のノンフィクションを出筆し、大宅壮一ノンフィクション賞他 様々な賞を受賞された、野村進さんが現在石見神楽に注目し連載しております。)

上の写真は佐渡村衣裳店様の作品です。 金糸で形作った立体感のある生き物の刺繍が角度によって様々な表情を表し、見ている人を惹きつけてくれます。迫力がありながらも優雅な衣装、まる で命が吹き込まれているかのようです。

さて、弊社はロウを扱う企業。
どこに弊社の製品・ロウが利用されているのか、皆様わかりますか。

こちらの衣裳を近くで見てみましょう。

わかりましたでしょうか。
布に金糸を縫い付けているこの赤い糸こそが、弊社のロウの活躍の場です。
赤い糸で金糸を布に縫い付ける際、赤い糸の摩擦で金糸が傷つき、輝きを損なう恐れがあります。その為、赤い糸にロウを付け、滑りやすくすることで 、赤い糸が金糸に触れても傷がつきにくく、輝き続けることができているのです。このように、気が遠くなる程の緻密な作業を、こんなにも広範囲に渡 り行っているかと思うと、伝統を支える職人の想いや拘りの強さに心惹かれます。
今後も佐渡村衣裳店様に石見神楽の伝統芸能を後世に継承して頂き、日本の文化を支えて頂きたいと思います。

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セラリカNODAでは、「自然を生かす伝統的な技術」を応援しています。


伝統技術を受け継ぎ素晴らしい創造的な作品を生み出している女性伝統工芸士集団「グループ匠美」の作品をご紹介いたします。

女性伝統工芸士集団「グループ匠美」作品

現在、日本には、国が指定する伝統工芸品の産地が全国で210地域ほどあり、それぞれの工芸品を受け継いできた国家認定資格の「伝統工芸士」は約4600人。このうち、女性の伝統工芸士は560人余りとなります。
その中でも「伝統工芸の素晴らしさを世の中に広めたい」「多くの人を喜ばせたい、世の中をより良くしたい」という志を持っている、女性伝統工芸士12人で構成している「グループ匠美takumi」。
伝統工芸品の制作に関し、従来の技法にとらわれず、新たな価値を生み出そうと奮起している女性伝統工芸士集団です。
例えば、東京手描友禅の伝統工芸士 上田環江さん。
上田さんが手掛ける手描友禅のお取り組みについてご紹介致します。通常、布に模様を描く際、石油系のパラフィンロウで模様を描きます。染料にて布を染色した後、石油系のロウを取り除くことで、ロウで描いた部分を白く染め抜きます。(ロウケツ染め)
上田さんのお取り組みを聞き、弊社社長(野田泰三)が植物の生み出す生命蝋(cera rica)でできたセラリカコーティングを上田さんに提供致しました。
上田さんは石油系のパラフィンロウを使う代わりに弊社製品セラリカコーティングに置き換え、東京手描友禅の制作を行いました。
上田さんにセラリカコーティングを使用した時のお話を伺ったところ、「セラリカコーティングは生地にも作業者にも優しい。」と興味深いお話をお聞かせ頂きました。
詳細を伺いますと、「パラフィンで模様を描いた場合、パラフィンを溶かす熱により、ロウケツ染めした部分が黄色く変色することもある。また、染色後に除去する時、溶剤を使う為、健康への懸念がある。」といいます。一方、弊社の製品を使用した場合、「ロウケツ染めした部分が変色しにくく、鮮明にデザインを描くことができた」ことが印象に残ったそうです。
また、「パラフィンワックスを使用した場合、作業後の手はガサガサになり、痛んでしまいますが、セラリカコーティングは手肌に優しく、作業後に手が滑らかになった」そうです。
従来の技法に拘らず、自ら考え、新たな技法・魅力の発掘を追い求め続ける、彼女らの意志の強さとその思わぬ革新性に富んだ努力に大変心を打たれます。

東京手描友禅 伝統工芸士 上田環江様の作品
東京手描友禅 伝統工芸士 上田環江様の作品


伊万里焼・鍋島焼窯元「虎仙窯」 伝統工芸士 青木妙子様の作品
伊万里焼・鍋島焼窯元「虎仙窯」 伝統工芸士 青木妙子様の作品

博多人形 伝統工芸士 井上あき子様の作品
博多人形 伝統工芸士 井上あき子様の作品