伝統技術を受け継ぎ素晴らしい創造的な作品を生み出している女性伝統工芸士集団「グループ匠美」の作品をご紹介いたします。
女性伝統工芸士集団「グループ匠美」作品
現在、日本には、国が指定する伝統工芸品の産地が全国で210地域ほどあり、それぞれの工芸品を受け継いできた国家認定資格の「伝統工芸士」は約4600人。このうち、女性の伝統工芸士は560人余りとなります。
その中でも「伝統工芸の素晴らしさを世の中に広めたい」「多くの人を喜ばせたい、世の中をより良くしたい」という志を持っている、女性伝統工芸士12人で構成している「グループ匠美takumi」。
伝統工芸品の制作に関し、従来の技法にとらわれず、新たな価値を生み出そうと奮起している女性伝統工芸士集団です。
例えば、東京手描友禅の伝統工芸士 上田環江さん。
上田さんが手掛ける手描友禅のお取り組みについてご紹介致します。通常、布に模様を描く際、石油系のパラフィンロウで模様を描きます。染料にて布を染色した後、石油系のロウを取り除くことで、ロウで描いた部分を白く染め抜きます。(ロウケツ染め)
上田さんのお取り組みを聞き、弊社社長(野田泰三)が植物の生み出す生命蝋(cera rica)でできたセラリカコーティングを上田さんに提供致しました。
上田さんは石油系のパラフィンロウを使う代わりに弊社製品セラリカコーティングに置き換え、東京手描友禅の制作を行いました。
上田さんにセラリカコーティングを使用した時のお話を伺ったところ、「セラリカコーティングは生地にも作業者にも優しい。」と興味深いお話をお聞かせ頂きました。
詳細を伺いますと、「パラフィンで模様を描いた場合、パラフィンを溶かす熱により、ロウケツ染めした部分が黄色く変色することもある。また、染色後に除去する時、溶剤を使う為、健康への懸念がある。」といいます。一方、弊社の製品を使用した場合、「ロウケツ染めした部分が変色しにくく、鮮明にデザインを描くことができた」ことが印象に残ったそうです。
また、「パラフィンワックスを使用した場合、作業後の手はガサガサになり、痛んでしまいますが、セラリカコーティングは手肌に優しく、作業後に手が滑らかになった」そうです。
従来の技法に拘らず、自ら考え、新たな技法・魅力の発掘を追い求め続ける、彼女らの意志の強さとその思わぬ革新性に富んだ努力に大変心を打たれます。
東京手描友禅 伝統工芸士 上田環江様の作品
伊万里焼・鍋島焼窯元「虎仙窯」 伝統工芸士 青木妙子様の作品
博多人形 伝統工芸士 井上あき子様の作品