知恵讃歌
寒い冬にもスキーやスケートがあるように、大恐慌やパニックをチャンスと捉えよう
昔は当たり前だった人と人との厳しくも豊かな関係性を復活させるために

どこからともなく大恐慌やパニックの声が聞こえてくる。

ところが、そこで発表される数字は10兆(丁)、100兆(丁)と抽象的な豆腐屋の数え方。
子供のころ、肉屋のコロッケの匂いや、清らかで冷たい井戸水に浮かぶ豆腐があったように、
生活は貧しくとも実感にかこまれていた。
お金も5円玉や10円玉は、それで物が買えたし、独特の金属の香りがした。

豪華客船のごとく派手な豊かさというものはあっという間に不安とパニックへと変わっていく。
僕らがこれから失うものは、天に聳え立つ高層ビル
僕らが取り戻すものは、信頼と人間の声、そして自立出来る強さ
所詮、あの世に持っていけない物質的な豊かさを失うことなどを嘆かない「誇り」と、
もともと何の資源もないこの国はいつも「知恵」だけが頼りである。

まだまだ貧しさに囲まれていた時代にこそ輝いていた当時のノーベル賞。
紙とエンピツと、失うものがないからこそ蘇る「勇気」そんな時代がまたやってくる。