豊かさの5段階説(2021年バージョン)
豊さとは
小惑星イトカワでも有名になった日本のロケット開発のパイオニアの糸川英夫氏によれば、現在地球上には豊かさのレベル別ごとに3つの部屋があります。
第一の部屋
第一の部屋は、生活に必要な最小限のもの…とにかく「食べられて」、「着るもの」があり、雨露をしのぐ「住むところ」がある。その最低限の豊かさを手に入れるために、0からせっせと仕事をして、まず生き延びるために衣食住を満たすことを豊かだと感じる部屋です。現代では、災害の避難現場などで初めて実感出来る豊かさです。
第二の部屋
第二の部屋は、それがなくても生きてはいけるが、あると便利で楽しいものを求め、それを豊かさと感じる部屋です。いわゆる贅沢品と呼ばれるもので、高度経済成長期の日本の若者のごとく自動車やオーディオなどの所有が豊かさのシンボルとなりました。先進国の現代では、すでに「シェア」する時代となり、日本でも若者の意欲がこの豊かさにあまり向かなくなりました。
第三の部屋
第三の部屋はより現代的な豊かさの部屋で、脳の快楽中枢に刺激を追い求める部屋です。スマホアプリやAV、パチンコなどのギャンブルにはまる人が多くなり、いつの間にか大産業化していきます。世界的な問題となっている危険な麻薬などを使うことこそが豊かさとも感じる部屋です。アメリカやフィリピンでも大統領が麻薬困難克服を最重要課題としてきています。更にコンピューターを利用し現実には見ることが出来ない巨大な数字を駆使した金融もこの中に入ります。不思議なことに、世界一のGAFA等のお金持ちは、彼らの富の源泉となったスマホやパッドやそのソフトを世界中に売りつくしましたが、害があると自分の子供には出来るだけ使わせないようにしています。
現在、地球上のあちこちで政治の貧困の結果、内戦が起こっており、難民が多発している後開発途上国は、第一の豊かさの部屋にあり、発展途上国は第二の部屋での豊かさを目指し、さらにスマホが行き渡っている日本や欧米などの先進国では、第三の部屋に完全に住み着いてしまっていると言えるのではないでしょうか。
第三の部屋は非常に危険な部屋です。なぜなら、この部屋の持つ豊かさには大脳の仕組みから言っても際限がありません。その欲望はバーチャルかつ自己中心的で、とどまるところを知らず、永久にそこに根を張って住み着いてしまう危険性があります。
この第三の部屋から果たして私たちは抜け出す事はできるのでしょうか。
いま必要なのは私達セラリカの提唱する、新しい世界へ勇気を持って一歩を踏み出す「旅人」の魂だと思います。
第四の部屋(1980年代に気が付きました)
私達の指し示す第四の部屋についてご紹介しましょう。
第四の部屋は、人と人との関係を大切にする部屋です。セラリカ原料を求めて世界中を歩き回っていく中で、日本人の独特の長所に気が付きました。それは、「相手の喜ぶ顔が自分の喜び」と感じる日本的な感性で、相手の豊かさが自分の豊かさにいつの間にかなっていく・・・言い換えれば、「利他的」な喜びを実現することで、人と人との間に生まれる温かな豊かさを体現できる部屋です。
セラリカNODAが中国内陸部の貧困地域で植林や昆虫を生かす発想での生物産業化を図るのも、貧困地域が環境と経済の向上を両立することで、そこに住む村人の心から喜ぶ顔を通じて、お手伝いする私達もまた心と物の両面での豊かさを実現できます。麻薬の栽培地域でも、それよりも真に豊かな「世界中の人々を美しくすること」が出来る、生命ロウによる「生物産業」を育てようとしています。
こうして第四の部屋が開かれますと、その先には第五の部屋があることに気づきます。
第五の部屋(1990年代に気が付きました)
それは人間同士だけではなく、地球に住むあらゆる生物達と人間の間に対話を実現する部屋です。
人間同士には言葉がありますが、たくさんの生物間ではどのようにコミュニケーションをとっているのでしょうか。それには、まず生物達の声に耳を傾けることから始まります。夏の虫、秋の虫からたくさんの小さな詩を生み出す日本人の感性が必要になります。この地球がこれほど美しく保たれて来たのも、ジェームズ・ラブロックの「ガイア仮説」が示すように、生物達がいろいろな形で相互にコミュニケーションをとることで、地球全体が一つの生命体として調和していくからに他なりません。
都会の雑踏を離れ、深い森の中に身を置いたときに感じる小鳥のさえずりや、虫達の歌声、優しい木漏れ日、風に揺れる木の葉のざわめき、私達はそこに深い何かを感じるはずです。人間同士のコミュニケーションだけでなく、生物達の言葉を解明し、生物間の情報交換が可能となり、人と植物、昆虫など、地球上の生物が会話を交わしながら真の豊かさに向けて共生していくこの世界こそ第五の部屋です。
「人と森と生命の共生」により地球全体のすべてが、調和に向けて互いにコミュニケーションをとれるようになることこそが真の豊かさだと感じる部屋です。
半導体が人間のコミュニケーションを著しく発展させたように、イルカやクジラ達は頭部内にセラリカ=生命ロウ(鯨ロウ)を持ち、高周波で位置の確認や仲間とのコミュニケーションを計ります。また、ある種の蜂は自ら生み出す体表の生命ロウ=セラリカが言葉の役割を果たし、互いに触角で触れ合うことにより相手が誰なのかをすぐに識別します。この仕組みを解明できれば、人間と生物の相互の豊かなコミュニケーションも夢ではなくなるでしょう。
C&C(CERA RICA & COMMUNICATION)を実現し、動物や昆虫の言葉、植物の言葉に耳を傾け、行き過ぎた人間中心主義を克服し、生命系全体がより豊かに、地球がより美しく輝く方向へと導くこと・・・
それこそが「人と森と生命の共生」の真の姿だと考えております。