セラリカの天然木ロウ

はじめに

木ロウ(天の与えたジャパンワックス)

 動物は息を吐き、植物は息を吸う。太陽のもと大きく呼吸している。この生命鼓動によって地球の大きなバランスは整えられる。
 晩秋に行なわれる櫨の実(ハゼの実)の収穫は、かなり力がいる。台風の通り道に位置する九州ならではのものだ。台風の大風に負けない櫨の実だが、ただ力任せにすると芽まで折ってしまう。芽を折ると次の年に実がならなくなってしまう。高いハシゴを使って一房ごとに人の手で、フルーツを収穫するよりも高度な技術で、櫨の実(ハゼの実)は収穫される。
 太陽の力で生み出された櫨の実(ハゼの実)は、江戸時代からの伝統的な方法で実の成分であるロウを、蒸気の力で溶かして上から圧力をかけて抽出する方法、もう一方、サラダ油と同じようにロウが安全な溶媒に溶ける性質を利用した近代的な抽出方法で「生ロウ(きろう)」となる。

蓮の花のイメージ写真

 濃緑色の生ロウ(きろう)の脱色工程においては一般的に科学技術を尽くした精製が行なわれるが、伝統的なやり方では「生ロウ(きろう)」は、薄く削られて大地に広げられ、晒屋が手をかけ何度もひっくり返しながら1〜2ヶ月天日で晒す。
 太陽の光と月の光の間を何十回も通りぬけて、その光をたっぷりと吸収していく。それで出来上がったものが薄い肌色の「白ロウ」だ。
 その貴重な「白ロウ」を生かすために、戦後いち早く日本最高の研究機関である理化学研究所と共同開発をした特許で、過酸化物と臭気を除去した「白ロウ」が当社の「脱臭精製白蝋(だっしゅうせいせいはくろう)」だ。
 木ロウ(木蝋・もくろう・モクロウ)を生み出す櫨の木(はぜの木)の枝は、草木染技法で染色に使われ、天皇陛下が即位されるときの正装、黄櫨染御袍(こうろぜんごほう)に使用される。皇后陛下の御髪のおすべらかしも、木ロウ(木蝋・もくろう・モクロウ)でかためられる。国技大相撲の力士の大銀杏は、もちろん木ロウ(木蝋・もくろう・モクロウ)でつくった鬢付け油だ。さらに、神事にも使われる和弓の芯材も櫨の木(はぜの木)の幹からとる。
 だから、木ロウ(木蝋・もくろう・モクロウ)は国際的にJAPAN WAXという。