セラリカ野田のキャンデリラロウ

はじめに

キャンデリラロウ(自然の厳しさに打ち克つロウ)

あなたは砂漠を経験したことがあるだろうか。
テレビで見る西部劇の荒涼たる世界は子供の頃からのお馴染みだ。現実に4輪駆動車を飛ばしながら、メキシコの砂漠の世界に立った時、渇きの意味が身に沁みてわかった。

アジアに住む私達は、その大地にも空気の中にも、豊富な水が含まれている。
それを当たり前のように感じているが、実はとりまく多様な植物や木や森が循環を重ねていく中で、肥沃な大地を生み出し土を育て水を貯える。多様な生物が呼吸するなかで、大地の水を大気の中に染み渡らせてくれている。それが雲をつくり雨となっていく。古い文明をもつ地域では、木はエネルギーを生み出す薪として長い期間伐採され続け、いつの間にか森を失っていく。森のないところに雨はないのだ。

そうした人間と自然との係わり合いによって生み出される世界も砂漠なのだ。その中に何時間もいると体内の水分が失われ、渇きのむこう側にある死を実感する。

キャンデリラロウ/カモメ

その厳しい砂漠の中で生き抜いている植物がタカトウダイ草であり、その水分の蒸散をコントロールしているものこそ、草の表面に自らを保護するために分泌するキャンデリラロウ(キャンデリラワックス)だ。
砂漠は一日の寒暖差がとても大きい。キャンデリラロウはその苛酷な環境に負けぬよう外界の温度変化にとても強く安定している。

砂漠の生み出す小さな豊かさは、キャンデリラロウを原料にした口紅を通じて、世界中の女性の美しい口元を輝かせている。